ルピタ

ルピタ「あら、ハルくんこんにちは！」
ハル「こんにちは、ルピタさん！」
　「ルピタさんの宿屋ってどんな感じだろう、って気になって……」
　「それで、今日はお邪魔してみました！」
ルピタ「あらあら、じゃあ今日はお客さんなのね♪」
ハル「えへへ……。そうなりますね。」
ルピタ「じゃあ時間も時間だし、先にご飯を食べていったら？」
　「ちょうどさっき準備ができたところだし！」
ハル「そうですね、ではお言葉に甘えて……。」
　─
ハル「おいしーい！！」
ルピタ「あら、ありがとう♪」
ハル「ご飯もなんですけど、食器もすごくこだわってますね！」
　「スプーンも器も木製で、ちょっとイビツだけど暖かみがあって……」
ルピタ「う、うん……。」
ハル「あそこにある置物も、なにかは分からないけど芸術って感じがします！」
ルピタ「えっとー……。ごめんね、ハルくん。」
ハル「えっ？　急にどうしたんですか？」
ルピタ「それはね、芸術とかじゃなくて……。」
　「なんだか口が寂しくて、前歯でカジカジしてたら出来上がったというか……。」
ハル「そうなんですか？」
ルピタ「うん……。わたし、木を見るとついついかじっちゃって……。」
　「それっぽいものは形を整えて実際に使ってみたり……。」
ハル「へー、そんな癖が……。ん？」
　「……あの、もしかして、このスプーンと器って……」
ルピタ「……手作りの、じゃなくて歯作りの暖かみ、あるでしょ？」
ハル「気づきたくなかったー！！」