ダイキョウ

ダイキョウ「はぁ……。」
ハル「ダイキョウさん、ため息なんかついてどうしたんですか？」
ダイキョウ「あ、ハルくん。気にしないで。兄さんから逃げてただけだから。」
ハル「お兄さんから？」
ダイキョウ「うん。変なお面をつけろってうるさくて……。」
ハル「どうしてそんなことに？」
ダイキョウ「私の運気を上げるためだって……。私の不幸体質を気にして、兄さんが買ってきたみたい。」
ハル「あはは……ダイキョウさんのことを心配してくれてるんですよ。」
ダイキョウ「うん。わかってるんだけどね。兄さんは私の幸運を奪っちゃうから、そんなに構わないでほしいの。」
ハル「幸運を奪う？」
ダイキョウ「うん。お兄さんの幸運体質と私の不幸体質が合わさると、私の幸運は全部兄さんのものになるから。」
ハル「それは……困りましたね……。」
ダイキョウ「兄さん、自分が私の幸運を吸い取ってるって気付いて無くて……」
ダイキョウ「でもいつも私を思っての行動だから、私からは言い出し辛いし……。」
ダイキョウ「私の不運は自分で何とかするって少し突き放してみても、兄さん余計に心配して張り切るし……。」
ハル「色々行き違いがあるんですね……。」
ダイキョウ「ついでに私は逃げている途中で財布を失くすし！」
ハル「愚痴を言う前に財布を探しましょう！」