ウィズ

ハル「ウィズさんて元の世界では魔法道具のお店をしていたんですよね？」
ウイズ「はい。いろんなマジックアイテムを置いていたんですよ。」
リーザ「マジックアイテムと言われると気になるわね。どんな商品を置いていたのよ？」
ウイズ「そうですね。では、在庫にあるものでも紹介しましょうか。」
ハル「どんなアイテムなんだろう！」
ウイズ「こちらなんてどうでしょう？」
ウイズ「魔法の効果を上昇させるポーションなんですが、在庫にあるものは呪縛魔法用と泥沼魔法用のふたつですね。」
リーザ「これを飲めば一定時間魔法が強くなるってことかしら？」
ウイズ「はい。良かったら試飲してみますか？どうせ余り物なので……。」
リーザ「･･････余り物。少し不安になる言葉ね。」
ウイズ「何個かは売れましたし、効果は確かですよ。」
ハル「リーザなら呪縛魔法が使えるんじゃない？」
リーザ「『バインドウォーター』がそうなるのかしら？」
ウイズ「敵を動けなくする魔法であれば、効果は上がると思いますよ。」
リーザ「じゃあ、大丈夫かしら。試飲させてもらうわね。」
ウイズ「はい。どうぞ使ってください。」
リーザ「よし、準備できたわ！ハルも準備できてる？」
ハル「｢バインドウォーター』でしょ？特に痛いわけじゃないし大丈夫だよ。」
リーザ「じゃあ行くわよ！『バインドウォーター』！」
ハル「うぁ！」
リーザ＆ウィズ「きゃああああああああ！」
ハル「え？なんで二人も悲鳴を？」
リーザ「ちょっとこれ、なんで私も拘束されているのよ！」
ウイズ「ひいぃぃ！水で体が拘束されています！」
ウイズ「全然動けません……。」
ハル「あの、ウィズさんこれって……。」
ウイズ「その、このポーションは呪縛魔法の及ぶ効果範囲を上げる作用がありまして……。」
ウイズ「敵に使うと、一緒に術者や周囲の仲間も動けなくしてしまいます……。」
リーザ「それ動けなくした意味ないじゃない！」
ウイズ「ひいぃぃぃ！ご、ごめんなさい！本当に申し訳ないです。お詫びにポーションを……。」
リーザ「いらないわよ！」
ハル「それにしても、全然うごけないや。魔法は解除できないの、リーザ？」
リーザ「体を拘束されて魔法が解除できないのよ！」
ウイズ「私も……。んっ……動けないみたいです……。」
リーザ「ちょ、ちょっとストップ！脱げかけてるから！ウィズ！」
ウイズ「きゃ……きゃああああああっ！」
ハル「あわわわわ……。」
ウイズ「み、見ないでください……。」
リーザ「ハル！見たら分かってるんでしょうね！」
ハル「わ、分かっているけど！この状況を誰かに見られたりしたら！」
ガジェル「おう！ハル、リーザ！ここにいるって聞いたから様子見に……。」
ハル「……。」
ガジェル「お前ら、そんな趣味が……」
ガジェル「す、すまん、邪魔したな！」
ハル「違うんだガジェル！と、とりあえず帰らないで！助けて！」
リーザ「もう！ろくなことになってないじゃない！」
ウィズ「す、すみませーん！！」