アンブローザ

ハル「うぅ、どうしよう……。ちょこのお菓子を勝手に食べちゃった……。
　宿舎に帰ったらカンカンに怒ってるだろうなぁ。
　でも、なんだか謝りづらいというか……。」
アンブローザ「あら、何か道に迷っていらっしゃるのですか？」
ハル「迷っているといえば迷ってますが……あなたは？」
アンブローザ「わたくしはアンブローザ。迷える子羊を導くシスターです。
　何かお悩みでしょう？よろしければ、ぜひお聞かせください。」
ハル「な、なんだかすごくおりがたいオーラが見える気がする！
　アンブローザさん、実はボク……。」
　─
アンブローザ「なるほど。食欲にまみれた卑しい心をお持ちのようで。」
ハル「えっ？」
アンブローザ「そんなにお腹が空いていらしたのですか？他人の物に手を出すほどに？」
ハル「そ、それは……。」
アンブローザ「己が積みを悔いなさい。そしてその卑しい心を捨てなさい。」
ハル「ううぅ……。ごめんなさい……。」
アンブローザ「今一度口に出して自覚しなさい。『私は食べ物に群がる豚です』と。」
ハル「ぼ、ボクは食べ物に……。」
アンブローザ「声が小さいです。反省しているようには見えませんよ？」
ハル「ぼ……、ボクは食べ物に群がる豚です！！」
アンブローザ「……よいでしょう。」
ハル「ぐすっ……。あ、ありがとうございます……。」
アンブローザ「あなたのような豚野郎おことも、神はしっかりとご覧になっています。
　それをお忘れなきよう。」
ハル「はい……ぐすん……。」
　─
リーザ「ねぇ、今の見た……？」
ガジェル「あ、あぁ。ハルがでかい声でブタ宣言してたな。」
リーザ「その後は泣きながらお礼言ってたわね。
　ハルってもしかしてそういう……」
ガジェル「ひ、人には色んな趣味があるからな。いつも通りに接してあげようぜ……。」
リーザ「そ、そうよね、うん……。」