C・ヴァージェス

C・ヴァージェス（以下ヴァ）
ヴァ:私の名はC・ヴァージェス。
いずれ世界にその名を轟かせる女海賊だ。
ハル:ヴァージェスさん。ボクたちの仲間になってくれませんか？
ヴァ:おまえは強き者か？
ハル:え？
ヴァ:私は強き者を求めて海に出た。
そんな私に仲間になれと言うなら、相応の強さを持っていなければな。
ハル:それは……
ハル:ボクはまだ見習いのピリオドなので、ヴァージェスさんが満足するような強さはきっとないです……
ヴァ:ならば交渉は決裂だ。
私の胸を高鳴らせるほどの力を身に着けてからもう一度来い。
ハル:そんな……
ヴァ:さあ、帰るがいい。私は忙しいのだ。
ハル:は、はい……
ちょこ:うにゅ。ハルをいじめるな。
ヴァ:うん？誰だ、お前は？
ちょこ:ちょこ。
ヴァ:ちょことやら、いじめるなとは心外だな。私はありのままの事実をあの少年に突きつけただけだ。
ヴァ:ならばお前に問おう。
あの少年は強き者か？
ちょこ:うにゅ。つよい。
ヴァ:なぜそう思う？正式なピリオドですらない少年なんだぞ？
ちょこ:ハルは誰よりもやさしい。
だからハルはつよい。
ヴァ:優しさでスパイラルが倒せるとでも？
ちょこ:にゅ。それはできない。
ちょこ:でもときにはやさしさが必要。
ヴァ:スパイラルに優しさが必要、か。
ヴァ:……はっはっは!
ちょこ:うにゅ？
ヴァ:面白い！そんなことを言うやつには初めて出会ったぞ！
ヴァ:いいだろう。お前に免じて仲間になってやる。
ヴァ:おい、少年。
ハル:うわっ！？びっくりした！
ヴァ:気が変わった。
お前の仲間になってやる。
ハル:え？いいんですか！？
ヴァ:弱き者が強き者に変わる瞬間をこの目で見届けるのもまた一興。
そう思っただけだ。
ハル:あ、ありがとうございます！
ヴァ:だが一つ条件がある。お前が強き者に成長した暁には、全身全霊をかけて私と手合わせしてもらう。
ハル:ええっ！？ヴァージェスさんとですか！？
ヴァ:嫌なのか？
ハル:わ、わかりました。努力します……
ヴァ:よし、交渉成立だな。
ヴァ:はっはっは、将来が楽しみだ！
ハル:また一つ苦労が増えた……