剣聖ネロ

アニマルレルム　ガララ山
ネロ「－ー凍えて眠れ。『氷の地獄（コキュートス）』！！」
スパイラル「ガァッッ！！」
スパイラル「ガロロロォ……」
ネロ「……ふう。
悪くはねえが、まだパワーを上げられる気もするな……
刀のほうは兎も角、こっちの氷刃は完成形とは言えねえな……。
もっと鍛えられるはずだ。
……こいつらにも名前を付けてみるか？」
ハル「あ、いたいた！ネロさーん！」
ガジェル「うおっ！すげえ！これがネロさんの新しい技か！」
リーザ「あんな大きいスパイラルが完全に凍り付いてる……。
どんな魔法を使ったらこうなるのかしら……。」
ネロ「……チッ。人間どもが何しに来やがった。」
ハル「ネロさんが新しい技を編み出したって聞いたので見せてもらおうかなって！」
ネロ「帰れ。……見世物じゃねえぞ。」
ハル「ご、ごめんなさい……。でも、さっきの遠くからだけど見ちゃいました。すごい技ですね！」
ガジェル「あぁ、あんな技見た事ねえ！
やっぱりその刀の力なのか？ネロさん！俺も使ってみてえぜ！」
ネロ「はっ。そう簡単に真似できるかよ。この刀と俺の力の合わせ技だ。」
リーザ「やっぱり、何かしらの力を帯びた刀なのかしら。」
ネロ「あぁ。斬る瞬間に俺の力で刀身に氷を纏わせる。半永久的に切れ味が落ちない、俺だけの武器だ。」
ガジェル「マジかよ……。そこにネロさんが操る六本の氷の刃も加わるんだろ？無敵じゃねえか……。」
リーザ「死角もないし、一点に集めたらこんなに大きな氷の柱も出せる……。確かにこれはすごいわね……。」
ハル「ネロさんネロさん！刀に名前とかついてるんですか！？」
ネロ「兎起鶻落（ときこつらく）」それがこいつの名前だ。」
ハル「カッコいい……！
ネロさん！こっちの氷の刃にも名前が付いてるんですか！？」
ネロ「それは－ー」
ガジェル「おいおい、ハル。そりゃ設定盛りすぎだろ……。」
ハル「えっ……？」
リーザ「そうよ、ハル……。ハルがそういうのに憧れてるのは知ってるけど、そろそろ卒業したら？」
ネロ「……………………。」
ガジェル「俺も昔は無かったとは言わねぇけどよ……。なんでもカッコつけりゃいいってもんじゃねぇと思うぜ。」
リーザ「そうよ。普通が一番よ。」
ガジェル「付けた名前も半年もすりゃ恥ずかしくなったりするし、人目もやっぱりあるしよ……。」
リーザ「それに、ある意味使い捨ての武器にわざわざ名前なんて付けなくても……。」
ハル「……おかしいよ。」
リーザ「ハル？」
ハル「そんなのおかしいよ！そんな理由で『カッコつけちゃいけない』なんて絶対おかしい！」
ガジェル「お、おい、ハル！落ち着けって！」
ハル「カッコいいかどうかはボクがカッコいいと思えるかどうかだよ！
人の目とか使い捨てとか関係ない！」
リーザ「ちょ、ちょっとハル！」
ハル「自分がカッコいいって思えたらカッコいいんだ！
それでいいじゃないか！」
ネロ「…………！」
ハル「うぅ……。グスッ……。」
ガジェル「ハル……。お前……、泣いて……」
リーザ「悪かったわよ、ハル……。だから落ち着いて。」
ハル「う、うん……。ごめんね。
ネロさんもごめんなさい。勝手に来て勝手に騒いで……。」
ネロ「……気にしてねえ。いいから早く帰れ。」
ハル「はい……。お邪魔しました……。」
ネロ「…………。」
ハル（自分がカッコいいって思えたらカッコいいんだ！それでいいじゃないか！）
ネロ「最初の氷刃の名前は……。『ハル』にするか……。」