リッシュ

リッシュ「ハーイ！ハル！それにちょこ！
ちょっといいかしら！」
ハル「リッシュさん？どうしたんですか？」
ちょこ「うにゅにゅ。じゃーなりすとのおねえさん。」
リッシュ「イエス！ジャーナリストのリッシュさんよ！
今日はね、ハルたちに突撃取材しにきたの！」
ハル「ええっ？ボクたちに！？」
リッシュ「ザッツライト！もしかしたら、意外なスクープが見つかるかも！って思ってね！」
ハル「いやいやいや！ボクはどこにでもいるピリオド見習いですから……」
リッシュ「ノーノー。それは話を聞いてから判断するわ！
取材、開始してもいいかしら！」
ちょこ「いえーす。」
ハル「もう、勝手に決めないでよ。ちょこ。」
リッシュ「それじゃ早速聞かせてもらうわね！
ハルはピリオドになってどのくらいになるのかしら？」
ハル「えっと、まだ一年も経ってません。
ほんと見習いだから取材しても……。」
リッシュ「ハルはちょこと良く一緒にいるわよね。
二人の関係は？付き合いはどのくらいになるの？」
ちょこ「ちょこはハルのどうきょにん。
ずっとむかしからのおさななじみ。」
リッシュ「ホワッツ！？二人は一緒に住んでるの！？」
ハル「う、うん。一応……。」
リッシュ「ワァオ！これは意外な情報ね……！
親御さんはどうしてるのかしら。」
ハル「あ、ボクたち、二人とも親はもう居ないんだ。
ちょっと、その……事故があって……。」
リッシュ「ウップス！ごめんなさいね。
聞いちゃまずかったかしら。」
ハル「……ううん、大丈夫。」
リッシュ「話を変えるわね。ハルはピリオドの仕事をしてるけど、ちょこは普段何をしてるのかしら。」
ハル「えっと、普段はずっと部屋にいるよね？」
ちょこ「ん。たまにおかしを買いにいくくらい。」
リッシュ「ふんふん。」
ペラペラっ
リッシュ「サンキュー！次の質問よ。
ハルはお給料をどう使ってるのかしら。まだ遊びたい年頃だと思うけど。」
ハル「ボクは見習いだからそんなにお給料は出てないんだ。
生活費も結構かかっちゃってるし……。」
ちょこ「かいしょーなし。」
ハル「もう、ちょこがいっぱい食べるからだよ！
ボクはちゃんと自炊してるのに、お菓子ばっかり買って……」
ちょこ「うにゅ、ひつよーけいひ。」
リッシュ「ふんふん！」
ペラペラっ
リッシュ「サンキュー！これならいい記事が書けそう！次の月刊『ウォッチャー』をお楽しみにー！』
ハル「行っちゃった……。あいかわらず騒がしい人だなぁ……。」
ちょこ「ウォッチャー。たのしみ。」

ハル「月刊『ウォッチャー」、ほんとに出ちゃった……。うぅ、何を書かれてるんだろ。」
ちょこ「はやく、はやくみてみれ。」
ハル「ええと……」
【薄幸の新人ピリオド、その苦難に満ちた日々に密着取材！】
ハル「……なんだろう、これ。」
【アークエンド第8支部。この支部に一人の若いピリオドが在籍している。このピリオドのHさん（仮名）の苦難に満ちた日々に記者は密着取材を敢行した。】
ちょこ「これ、ハル？」
ハル「かなぁ……。」
【Hさんはまだ新人のピリオドである。慣れない仕事、半人前の給料。若いHさんに悩みは多い。実はHさんは天涯孤独の身でありながら、同じく身寄りのない幼なじみを養い働いている。しかし、よく話を聞いてみると、この幼なじみこそがHさんの最大の悩みであった。】
ちょこ「うにゅ？」
【Hさんが必死にピリオドの仕事をしている間、この幼なじみは部屋で一人自堕落な生活を送っている。そして、Hさんがピリオドの仕事で得たわずかな報酬も、この幼なじみの暴飲暴食によって消えていく。二人の歪な関係はどこから始まったのか、そして終わりはあるのか。記者は今後も取材を続けていく。】
ちょこ「むぅ……。じじつむこん。
ウォッチャーにしゃざいとてっかいをもとめる。」
ハル「うぅ、はっきり嘘だと言えないのが悲しい……。」