ベルトラッチ

ハル「ふぅ……。ちょこのお菓子の買い出し、ようやく終わったよ。
　毎度毎度、すごい量だよね……。あはは、これじゃ剣も持てないよ。」
スパイラル「ガロオオオ！」
ハル「うわっ！こんなところにまでスパイラル！
　あわわわわっ！」
？？？（ベルトラッチ）「下がれ、小僧。」
ハル「……うん？」
？？？「容赦はせんぞ、スパイラル！せぃや！！」
スパイラル「ガロオオオ……。」
　─
ハル「た、助かりました。ありがとうございます！」
？？？「安心しろ。この程度のスパイラルなら俺でも……
　……い、いや。俺にかかれば朝飯前だ。」
ハル「あ、あの。あなたは？」
？？？「俺の名はジレッド。エリートピリオドのジレッドだ。聞いたことがあるだろう？」
ハル「えっ？ジレッド兄さん？」
？？？「……兄さん？」
ハル「あ、あの。ジレッドってジレッド兄さんのことなんですけど……？」
ジレッド？（ベルトラッチ）「…………。
　……そうだ。俺がジレッド兄さんだ。」
ハル「え……えっと？あの、言っている意味がよくわからないんですけど……。」
ジレッド？「ずっと会いたかったぞ弟よ。」
ハル「おとうと……？」
ジレッド？「そうだ、思い出せ、お前の本当の兄が、誰だったのかを……！」
ハル「えっ……？えっ……？」
ジレッド？「お前が兄と呼ぶ男は俺の偽物だ……思い出してくれ……！お前の本当の兄の姿を！」
ハル「そ、そんな……だってジレッド兄さんは銀髪で……眼鏡を掛けていて……」
ジレッド？「違う、そうじゃない……俺の姿をもっとよく見るんだ。さぁ……！」
ハル「う、うぅ……！で、でも僕の知っているジレッド兄さんは……強くて……頼りになって……！」
ジレッド？「そうだ、強くて、便りになる。もっとよく俺を見ろ……思い出せ、弟よ！」
ハル「兄さんは……刀を持ってて……カッコよくて……モテモテで……！」
ジレッド？「そうだ、かっこよくてモテモテだ。刀も持っているぞ！俺を思い出してきただろう……！」
ハル「うぅっ！ぜ、ぜんぜん違う気がするのに……！なんだか本当にあなたが本物のジレッド兄さんの気が……！」
ジレッド？「くくく！そうだ、思い出してくれたか弟よ。俺がお前の本当の兄、ジレッドだ！」
ハル「本当に……ジレッド……兄さん……なの？」
ジレッド？「あぁ！そうだ！その通りだ！」
ハル「銀髪でメガネでいつも頼りがいがあってカッコよくてモテモテなジレッド兄さんは偽物で……
　あなたが、ボクのジレッド兄さん……。」
ジレッド？「あぁ……！」
ハル「…………。
　はあぁぁ……。そっか……この人がボクのお兄さんなんだ……。」
ジレッド？「えっ。ど、どうした？嬉しくないのか？」
ハル「えっ？あぁ、はい。嬉しいです……嬉しいです……。」
ジレッド？「ど、どうだ。兄弟の再会にこれから飯でも……」
ハル「……いや、いいです。ボクちょこのお菓子を早く届けないといけないから……。」
ジレッド？「そ、そうか……。」
ハル「そっか、そうだよね。現実なんてこんなもんだよね……。はぁ……。」
ジレッド？「………………。」