ヴィンゴ

ヴィンゴ「俺はヴィンゴ！よろしくな！」
ハル「ヴィンゴさんって、いつも笑顔ですよね。」
ヴィンゴ「笑顔は元気の源だからな！あっはっは！」
ハル「そんなに笑っていられるなんて、なんだかうらやましいなぁ。」
ハル「ボク、すぐに落ち込んじゃうタイプなので……。」
ヴィンゴ「俺はそれでもいいと思うぞ。俺なんてたまに鬱陶しいって言われるからな！」
ハル「そ、そうなんですか……。」
ちょこ「うにゅ。いいにおいがする。」
ヴィンゴ「おっ、パンの匂いをかぎ分けるとは、なかなかやるな。」
ヴィンゴ「少ししか残ってないが、食べるか？」
ちょこ「うにゅ。たべる。」
ちょこ「もぐもぐ、うまうま。」
ヴィンゴ「おっ、美味いか。それはよかった。」
ヴィンゴ「実はな、これは俺の村で育てた麦から作ったんだ！」
ヴィンゴ「あいつ以外にも美味いって言ってくれるやつがいるなんてな！」
ヴィンゴ「手塩にかけて育てた甲斐があったってもんだ！」
ハル「あいつ？」
ヴィンゴ「そう、村の人間以外で初めて美味いって言ってくれたやつでな！」
ヴィンゴ「たまに食べたいと言ってくるんだが、用意できないと不満そうな顔をする可愛いところもあってだな……もが！？もがもが！？」
ハル「ちょ、ちょっとヴィンゴさん！？どうしたんですか！？」
セレアス「気にしないで。ちょっと静かにしてもらってるだけだから。」
ハル「い、いいんですか？たいぶ苦しそうですけど……。」
セレアス「大丈夫よ。それよりごめんなさい。彼、鬱陶しかったでしょう？」
ハル「い、いえ、そんなことは……。」
セレアス「邪魔をして悪かったわね。じゃあ、私たちはここで。」
ヴィンゴ「もがああぁーーーーーっ！？」
ハル「ああ、行っちゃった……。」
ハル「あいつって結局誰だったんだろう……？」